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株価算定の実務 HEADLINE

株価算定の実務をシェアしましょう!

会計士の独立相談なら野内会計株価算定は会計士としての業務の本髄というものだと思います。その方法は

市場株価法
DCF法
類似会社比較法
時価純資産法

これらが代表的なものとして考えられます。
また、最近では回帰分析法も取り入れられるようになってきました。
これらの業務を実際にやられた方、またこれからやりたい方とともに、知識を共有できればと考えております。
ご興味のある方は、お問い合わせページよりご連絡ください。
⇒お問い合わせページへ

DCF法の実務

DCF法ではベータ値、市場の期待収益率がポイントになります。
私の経験上、これらの数字を外部のベンダーから買ってくる事務所がほとんどでした。
しかし、ベンダーは限られており、かなりの高額であるため、常に状況に合っているものを用意するのは難しいのが現状です。
そのため、以前に一度購入した情報をずっと使い続けている事務所もあります。
酷いのであれば戦後まもなくから2015年までの超長期のものを使っている事務所もありました。

正直、これらは購入する必要はありません。ヤフー株価や内閣府の統計一覧を見れば、算定できるのです。
ちなみに、その方法は下記のそれぞれの書籍に細かく記載されております。
良書だと思いますので、独立して実務に当たる時はぜひお読みください。

会計士の独立なら野内会計「企業価値評価の実務」
株式会社プルータス・コンサルティング 著
中央経済社 
2014年8月

5,780円
会計士の独立なら野内会計「バリュエーションの理論と応用」
谷山邦彦 著
中央経済社
2010年3月

7,128円


この2冊が読んで役にたつなと感じました。逆に役に立たなかった本のほうが多かったのですが、そのタイトルを挙げるのは控えます。
私見ですが、
・○ッ○○○ーのような外資の名前が入っていたり、
・「〜のすべて」という釣りタイトル
には気をつけてください。

ちなみに、もちろん一番参考になるのは、実際に他事務所がやった案件を見ることです。しかし、これは守秘義務の絡みもあり難しいでしょう。

実際、事務所ごとにDCF法と言ってもいろいろなやり方をしており、かなり適当なものが多いと感じました。適当に割引率を10%と決めているものもありました。
しかし、クライアントがそれで納得すれば問題ありません。そもそも企業買収時の外部の権威付けのためなら、それで十分です。
私も実際、かなり簡略化した算定をしたこともあります。目的と費用を考慮して行えばリスクは抑えられると考えています。

しかし、裁判資料となると全く話が変わってきます。自分のやった方法に全て合理性を持たせる必要がありますので、決して何となくやった、というのはしないでくださいね。

株価算定の恐怖は忘れた頃にやってくるかも

会計士の得意分野として真っ先に挙がるのが「デューデリジェンス」だと思います。
企業間の買収事案が発生すれば、やはり国家から認証された資格保有者に依頼したいと思うものでしょう。
(上記のことは中小企業までに当てはまると思います。上場企業クラスになると証券会社に依頼するでしょう。
もちろん、証券会社には社内に会計士が存在します。)

独立した会計士の先生にとっては、デューデリジェンスの仕事はおいしいものです。
なぜなら、
■法律で厳密に定められた手法というものがない。言い換えると、自分が良いと思う方法でやれる。
■監査や税金計算のように法的処罰がないし、誰かに監督されることもない。
■要はクライアントに納得してもらえればよい。
■同業者と比較されて品質に文句を言われる心配がない。
ということを思ってしまうからです。

実際、デューデリジェンスの契約書には「責任限定契約」ともいう内容が必ず含まれています。それは簡単に言うと、
・我々は結果の公正性については意見を表明するものではなく、指針という役割を提供します。
・もらった資料は正しいという前提で仕事します。
・結果は絶対的なものではないです。

というものです。一つ目の内容が特に素晴らしく「参考程度に使ってね。それ以上の責任は負わないよ」と言っているのです。

さすがに、こういう文言があるから全て免罪されるのはおかしいということで、平成25年に金融庁から「企業価値評価ガイドライン」というものが発行されました。
そこでは「いくら責任限定契約を書いていても、あまりに適当なことしていたら責任追求されても仕方ないよ」という趣旨が書かれています。

じゃあ、具体的に責任追及なんてあるの?と思うでしょうが、これは裁判になった時に発生します。
その確率は統計がないので不明ですが、そうなっても大丈夫なように、全ての判断に合理性を持たせてくださいね。